日本違法サイト協会は、ダウンロード違法化に反対します。

時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。

さて、当協会は2007年12月17日に、国の文化審議会著作権分科会私的録音録画小委員会が「違法サイトからのダウンロード違法化」という方針を打ち出したことを受けて設立されました。ダウンロードが違法化された社会では欠かせない情報である「どのサイトが違法サイトなのか」を明らかにするため、過去に著作権侵害を行ったサイトについての情報を提供するとともに、ダウンロード違法化後のインターネットのあり方はこれまでと大きく変化せざるを得ないことが予想されることから、ダウンロード違法化後のインターネットのあり方、インターネットユーザーのあり方について調査研究を進めてきました。
これまで一年にわたる研究を重ねてきた結果、当協会では、違法サイトからのダウンロードを違法化する事は現実的ではなく、また、社会に与える影響があまりに大きく、実施すべきではないという結論に至りました。
そこで、当協会は、文化庁及び私的録音録画小委員会が示したこの方針に対して反対することを表明します。

今後の活動はhttp://jillesa.net/にて行います。みなさまの変わらぬご理解・ご支援をお願いします。

「”ネット”と上手く付き合うために」HTML版の公開について

このたび当協会では、インターネット先進ユーザの会 (MIAU)が発表した、青少年のためのインターネットリテラシ読本「”ネット”と上手く付き合うために」について、これをクリエイティブコモンズライセンスに基づきHTML化した版をhttp://illegal-site.org/archives/miautext/index.html にて公開しました。どうぞご利用ください。なお、これは当協会が原著作者の主張について賛成したり、支援したりすることを意味しないことをご承知置きください。

いわゆる「エルマーク」が、違法配信を識別する手段にはならないと明確化されました

当協会では、2月19日に日本レコード協会が発表した正規音楽配信を識別すると主張するマーク、いわゆる「エルマーク」について、マークの存在が日本レコード協会に関係する権利の適正配信を示したとしても、それ以外の無数の権利者について何を示すものでもあり得ないと主張してきました。すなわち、マークがないことが即違法サイトであることを示すものでないことはもちろん、マークがあったとしても、日本レコード協会に関係しない他の著作権等を侵害していないと保証はできないことから、マークの存在が適法配信であることをも保証できない、ということです。
これについて、日本レコード協会マークの解説ページで「マークがないサイトは全て違法配信サイトですか?」という質問を載せているにもかかわらず、この疑問に正面から答えていないという点を指摘したところです。

今般、マークの解説ページを再確認したところ、解説ページには同じ問いへの答えとして「マーク表示がないことをもって必ずしも違法配信コンテンツだとは言えません。」と、マークが違法サイトの識別に使えるものではないことが明確に示されました。日本レコード協会がマークの意味について正しく認識し、このような解説を追加したことを当協会では歓迎します。今後、先に主張したとおり、「このマークがあるサイトはすべて適法配信サイトなのか」という問いについても、明確に否定する回答が掲載されることを希望します。

「本と著作権の日」に寄せて

(2008年4月23日12時45分)

今日4月23日は、親しい人に本を送りあう「サン・ジョルディの日」であるとともに、図書の著作権について考える「wikipedia:世界図書・著作権デー」でもあります*1

ご存じのとおり、インターネットに代表される新しい技術の台頭に伴い、著作権を巡る情勢はかつて無いほどめまぐるしく変化しようとしています。そのような中、新しい時代に適した著作権のあり方を考えようとする専門家や文化審議会著作権分科会委員の皆さんに、当協会は深く敬意を表します。同時に、誰もが作品の作り手となり、受け手となりうる今時では、皆が著作権のあり方について考え、意見を出すことが、著作権制度の健全なあり方の上では今後一層重要になってくると考えます。今日の著作権の日を契機に、多くの人が著作権のあり方について考えを巡らせ、発言していくことを当協会では期待します。

その意味では、今日、公正取引委員会日本音楽著作権協会 (JASRAC) に立ち入り検査を行なったというのも、意義深いものがあるのかもしれません。NHKなどの報道によると、公正取引委員会は、JASRACと各放送局などが締結する、音楽事業の収入の一定額を払えばJASRAC管理の音楽を自由に利用できるようにするという「包括利用契約」が、他の著作権管理事業者の参入を妨げたと見ている模様です。仮にこの見方が成り立てば、現在JASRACニコニコ動画と、JRCYouTubeと締結した著作権利用契約も見直しを迫られることになるなど、インターネットを利用したサービスのあり方が変更を余儀なくされる可能性もあります。

どうぞ、下記のニュースも参考に、今日の著作権の日に、著作権についてお考え下さい。

*1:ユネスコ制定。なお、JASRACでは11月18日を「音楽著作権の日」としている。http://www.jasrac.or.jp/recruit/guide/corpdata.html

「不当啓発撲滅キャンペーン」の実施について

当協会では、ダウンロード違法化の動きを受けて、これまでさまざまな活動を行なって参りましたが、違法サイトからのダウンロードが違法化された場合には、そもそも何が違法で何が違法でないのかというのが利用者の間に周知されなければならない、とかつて考察しました。現在、違法なものと違法でないものとを各自がしっかりと認識できる状態にあるかといえば、残念ながらそのような状態にはなっていません。
「このような行為は違法です」というキャンペーンは、さまざまな権利者団体が行なっています。しかし、それらの宣伝・啓発キャンペーンの中には、権利者保護を重視するあまり、著作権法上認められた利用法までをも「やってはいけない」などとしたり、例外的に利用できる場合があるにもかかわらず、その例外について触れなかったりするものが往々にして見受けられます。
そこで、当協会は、世間の著作権知識の向上を図るためには、そのような不当な宣伝・啓発キャンペーンが行なわれないようにすることが重要であると考え、「不当啓発撲滅キャンペーン」を実施することにしました。具体的には、下記の特設ページにて、不当な宣伝・啓発が行なわれないようにするとともに、著作権法上権利者の許諾を得ることなく利用できる場合があることを広く周知していきます。
本キャンペーンへのご理解とご賛同をよろしくお願い申し上げます。

「不当啓発撲滅キャンペーン」特設サイト

「【図解】エルマークと適法マーク」の改変版公開について

当協会では、当協会のブックマークで紹介した、半可思惟【図解】エルマークと適法マーク - 半可思惟について、これをクリエイティブコモンズライセンスに基づき改変した版をhttp://illegal-site.org/archives/20080223_L-mark_and_legitimate_mark.pdf (720KB) にて公開しました。どうぞご利用ください。なお、これは当協会が当該改変元の主張について賛成したり、支援したりすることを意味しないことをご承知置きください。
なお、これに際して、当協会サイトにおける著作権の扱いを変更しました。具体的には、当協会サイト中、/archives/ディレクトリ以下については、当協会のこれまでの扱いの例外とします。これについても合わせてご理解ください。

はてなブックマークの運用を開始しました。

当協会では発足以来これまで、「ダウンロード違法化」のカテゴリで、違法サイトからのダウンロードが違法とされる法改正の流れに関連するインターネット上の記事を紹介してきましたが、1月8日以来、紹介は途絶えております。これは協会の人的リソース上の制限から来るものです。
代替の措置として、当協会でははてなブックマークを利用して、この問題に関連するインターネット上の記事を紹介していくことにいたしました。当協会のブックマークのアドレスはhttp://b.hatena.ne.jp/illegal-site/です。どうぞご利用ください。