違法サイト調査検討結果について(zfyl)

当協会は、掲示板における匿名の賛同者の方からの情報提供に基づき、下記のサイトが違法サイトであるかどうかについて調査検討を行いました。その結果、当該サイトが違法サイトであるという結論には至りませんでしたのでお知らせします。

サイトの概要

サイト名称
zfyl
アドレス
http://nirvana.blog1.fc2.com/
運営者の種類
不明

情報提供の要旨

政府の審議会で配付された資料や審議会での発言を勝手に掲載しているサイトである。

調査検討結果と理由

zfyl(以下「当該サイト」という。)は、主に著作権法の見直し等について情報を発信するサイトであり、いわゆるブログの形態を有している。

当該サイトには、文化審議会その他各種審議会等を傍聴した記録が掲載されているが、記録に付随して、審議会等における配付資料が掲載されている。これらは、文化庁が自らのホームページにおいて公開しているものと同一のものであると確認できた。

しかし、著作権法32条第2項には「国(……)が一般に周知させることを目的として作成し、その著作の名義の下に公表する(……)報告書その他これらに類する著作物は、説明の材料として新聞紙、雑誌その他の刊行物に転載することができる。ただし、これを禁止する旨の表示がある場合は、この限りでない。」とする除外規定がある。この除外規定に該当するのであれば、当該サイトは当協会の定義する違法サイトには該当しないこととなる。

そこで、これを当該サイトについて見ると、当該サイトが転載しているのは文化庁ホームページに掲載されている資料と同一であり、文化庁ホームページが「国が一般に周知させることを目的として作成し、その著作の名義の下に公表する著作物」であることは明らかである。

ついで、当該サイトはいわゆるブログであるが、これが「新聞紙、雑誌その他の刊行物」に相当するかどうかについて検討する。刊行物の定義は著作権法上は必ずしも明らかになっていないが、他の法令を参照すると、例えば特許法第29条第1項第3号には「刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となつた発明」という記載があり、刊行物とブログ等のインターネット上のサイトを異なるものとみなしている。しかし、「電気通信回線を通じて公衆に利用可能となつた発明」との規定は平成11年の特許法の大幅な改正により加わったものであり、著作権法はこの間、大幅な改正を経ていない。仮に著作権法が大幅に改正されることがあれば、同法第32条第2項も同様の改正が行われることが推測でき、同法の規定がインターネット上のサイトをも含むという解釈は成立しうる。

さらに、転載を禁止する旨の表示は当該資料そのものにも、文化庁ホームページについてにも存在しない。

以上から、当該サイトは著作権法32条第2項に従った適正な転載をしていると推定でき、著作権侵害の事実は認められず、当該サイトは現時点において違法サイトであるとは認められない。

補足

なお、文化庁は、文化庁ホームページについてでは、文化庁ホームページについて下記のように主張している。

文化庁ホームページ」に掲載されている個々の情報は著作権の対象となっています。また,「文化庁ホームページ」全体も編集著作物として著作権の対象となっており,ともに日本国著作権法及び国際条約により保護されています。

http://www.bunka.go.jp/about_hp/index.html

しかし、文化庁ホームページ内には著作権等管理事業法施行規則のように、著作権法第13条第1項または第2項において著作権の目的とならないことが定められている情報も掲載されており、上記主張は明らかに誤りである。また、

当ホームページの内容の全部又は一部については,私的使用又は引用等著作権法上認められた行為として,適宜の方法により出所を明示することにより,引用・転載複製を行うことが出来ます。ただし,「無断転載を禁じます」等の注記があるものについては,それに従ってください。

http://www.bunka.go.jp/about_hp/index.html

と、著作権の制限についても記載しているが、著作権法第30条に定める私的使用においては出所の明示義務がないにもかかわらず出所の明示を要求し、ある種の資料については第32条第2項に定める転載が可能であることをことさらに隠すばかりか、無断転載を禁ずると著作権者が主張すれば私的利用や引用など著作権法上に定められた利用までが行なえないかのような、著作権法の解釈上とうてい容認できない主張を続けている。文化庁ホームページは当協会が第1号として指定した違法サイトであり文化庁著作権法についての知識が欠如しているばかりか誤った主張ばかりを行っているので、当協会では引き続き文化庁ホームページを閲覧しないよう警告を続けるほか、文化庁ホームページに記載されている著作権に関する解釈は誤りが多数あることについて強く注意を喚起する。

以上